第24回訪緬(2015.3.4―3.6) 3月6日(金)

最終日の午前中はヤデナ医師の勤めるサンピュア病院へ。相変わらず患者があふれている。300床の病院だが、常時500人以上入院しているのだから、あふれるはずである。おまけに家族が付き添う。病院では入院食は提供しないから、皆自炊。ヤデナ医師の病棟には酸素ボンベが沢山置いてあった(図12)。呼吸困難な患者が多く、1日10本は使うという。以前、酸素濃縮機を寄付したが、停電の多いミャンマーではあまり役にたたないので、酸素ボンベに切り替えたという。病院の経費でまかないきれないが、幸い現地のNPOが酸素ボンベを支援してくれているという。結核患者が沢山横たわっていた。重症患者である。肝障害のため、黄疸の強い女性が虚ろな目をして寝ていた。帰国直後に亡くなったとヤデナ医師からメールが来た。経済発展に湧くミャンマー。しかし、病院の中は何も変わらない。


図12 病棟の中の酸素ボンベ        


図13 小児科病棟で説明を受ける

 小児科には新生児が沢山いた。ここでは産科ではなく、小児科が新生児を診ている。ヤデナ医師の後輩であるWin医師は臨床データをもとに説明してくれた(図12)。これから新潟の小児感染症チームが感染症の研究をすると言うと、ぜひ科学的な検査をもとに診断と治療をしたいと期待を膨らませた。肺炎などの感染症は現地の小児医療の大きな問題点である。この病院の小児科はちょうどよい規模で、熱心な医師がいる。われわれの臨床基地として絶好である。ヤデナ医師はそう思って小児科に案内してくれたのだ。
 午後はドライアイスを購入してNHLに行き、サンプルを回収した。迅速診断ではインフルエンザだけでなく、RSウイルス感染症もある。これからの解析結果が楽しみである。
 最後の夜は空港の近くのミャンマー料理店で会食。ミャンマー料理を満喫して空港でいつものように記念写真(図14)。2泊3日とこれまでで最短の滞在であったが、今後の活動のために非常に重要な訪問であった。次回は25回目の訪緬となる。記念になることをしたいものである(文責:内藤 眞、2015. 3. 10)。


図14 空港での記念写真

謝辞
 ご支援いただいたジャンボテニススクール、ニチレイバイオサイエンスに御礼申し上げます。