震災から1年、南相馬にて。

Yugo先生の報告にもありますが、震災から1年を迎えた週末、南相馬に行ってきました。

3月10日、学校の現地視察と測定、Webmapの話し合いを終えてホテルに向かう途中、被災地を初めて訪れるというメンバーとともに、津波で被害を受けた地域を走ることにしました。
海岸を走るのは3度目、10月に測定を行って以来半年ぶり。

夏から秋にかけては一面に植物が生い茂っていましたが、今回は折からの降雪で土地がうっすら白くなっており、何もない荒涼とした印象を一層強くしていました。
振り返ってみると、3月半ばの東北は雪が降り寒い天候だったことを思い出しました。
津波に巻き込まれた方々はいかに寒かっただろうか。
初めて訪れたメンバーは、積まれたがれきの山や大破した大量の車、1階が丸ごと流された住宅などを目の当たりにし、津波による被害を肌で感じていたようでした。

震災後に海岸を訪れた3回の写真を並べてみることにします。


↑8月


↑10月


↑そして、1年経った3月。
自然の強さと、季節の移り変わりを非常に感じます。



海から少し離れた場所に、一際目立つ明かりが見えました。
近づいてみると手作りのイルミネーションのようでした。
光に彩られたメッセージを目にした時、私たちは言葉を失いました。


「ありがとう みんながわらいあえるところにします」

この家も1階部分が津波で流されていましたが、その1階の部屋には明かりがともり、家の前には車が数台止まっていました。
震災からちょうど1年を迎えるこの週末、多くの人々が南相馬に戻ってきていたようです。
明かりがともる部屋で、集まった皆が笑い合っている光景が思い浮かびました。
犠牲になった方々も、家族や友人が帰ってくるのを待ち望んでいたことでしょう。

南相馬市津波による死者・行方不明者638名(2012.3月時点)。
日常の暮らしでは放射線の影響ばかりに目が行ってしまいがちだが、
津波で多くの人命や財産が奪われたことは決して忘れてはならない。
津波で被害を受けた地域の再建には途方もない時間がかかるだろう。
それでも人々は立ち上がり、歩みを進めている。
我々も南相馬、相双地区の復興支援を継続しよう。

そんな決意を新たにした週末でした。